自らが下がった直後にNMDで決勝点という皮肉
2018年ロシアワールドカップ組の宇佐美貴史、乾貴士が左右のサイドに入った26日のボリビア戦。森保一監督率いる新生ジャパンで初先発したキャプテン・香川真司にとって、慣れた選手たちとのプレーはやりやすいはずだった。
けれども、序盤からボリビアの強固な守備ブロックを攻略し切れず、ゴール前に顔を出せない状況が続く。小林祐希と橋本拳人の新ボランチコンビの連係不足もあって下がりながらサポートに行く回数が多く、下がって受ける最前線の鎌田大地とも動きが重なるなど、思うようにならない場面が目立った。
共演経験の少ない選手が前後に陣取る難しさに加え、ベシクタシュ移籍後まだ90分フル出場した試合が1つもない香川自身も持久力やキレ、鋭さが戻っていない。こうした数々のマイナス要素が絡み合って、「68分間・シュートゼロ」という不本意な現実を突き付けられ、ピッチを去ることになってしまった。
自身が下がった8分後に中島翔哉、南野拓実、堂安律の3人が絡んだカウンターから決勝点が生まれたのは、何とも皮肉な結果と言うしかない。
「前半からスペースがない中で間で前を向いて攻撃の起点になっていたし、僕がそこに入ってできないことを真司君はやっていた。彼らが相手を揺さぶってくれたことでゴールを決めることができた」と南野は先輩かつライバルの香川を慮ったが、中島、南野、堂安の圧倒的推進力が森保ジャパンに不可欠なことを、背番号10自身も改めて痛感させられたことだろう。
「(長谷部誠や本田圭佑ら)年上の選手がいないということで、今まで見ていた景色とはガラリと変わったところがあった。当たり前にいた人たちの存在感がとてつもなく大きかったんだなと非常に感じました」と試合後の香川は神妙な面持ちでコメントした。