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ボリビア戦、先発総入れ替えは無意味か? 選手は力発揮できず消化不良…必然性薄い采配に

text by 編集部 photo by Shinya Tanaka

日本代表
日本代表【写真:田中伸弥】

【日本 1-0 ボリビア キリンチャレンジカップ2019】

 日本代表は26日、キリンチャレンジカップ2019・ボリビア代表と対戦して1-0で勝利した。

 前半からボールを握った日本だが、決定機の数は限定的で攻めあぐねる時間が長かった。かといってボリビアが効果的なカウンターを打ち込んでくるわけでもなく、再びボールを持ててしまう。試合全体が消化不良感に覆われていた。

 そうした状況が一変したのは後半途中から。堂安律、中島翔哉、南野拓実を次々に投入し、攻撃がペースアップ。ボリビアの守備も崩れ始め、76分にはこの3人の連係からゴールを奪った。

 22日のコロンビア代表戦からスタメンを総入れ替えした。招集メンバーをなるべく全員起用したいという森保一監督の意図だった。AFCアジアカップ2019を準優勝で終え、6月にはコパ・アメリカを控える。発足して1年にも満たないチームなのだから、より多くの選手を試すのは理解できる。

 だが、望んでいた収穫はこのボリビア戦で得られたのだろうか。相手はブロックを固め、確かに最後のところは粘り強く対応してきた。そうした中でどのような打開を見せるのかが注目されたが、フィニッシュに持ち込めない。乾に決定機があったとはいえ、経験豊富な2列目が違いを生み出したとは言い難い。

 森保監督は段階的に選手を投入しており、その都度ピッチ内でのコンビネーションを確認したと思われる。だが、例えば中島ら“主力”と香川を前半から組み合わせても良かった。短い時間で好連係が生まれたわけではなく、結局NMDが揃ってからゴールを奪っている。

 NMDがチームの核であることは誰の目にも明らかであり、今後に向けて新たな組み合わせを模索したいところだ。ボリビア戦の先発には森保ジャパンの“主力”は一人もいなかった。結果論だが、代表戦1試合を消化しただけ、という形に見えてしまう。ボリビアとのマッチメイクの意味さえも曖昧なものになってしまっていないだろうか。

 もちろん、仕方のない部分もある。実際にそれぞれの日本戦を見てもコロンビア、ボリビアの実力差は大きかった。前者はハメス・ロドリゲスやラダメル・ファルカオといったワールドクラスを擁し、ギアの上げ方や迫力などもハイレベルだった。一方で後者はアジア遠征の2戦目ということもあってか、攻守に重さがあったのは否めない。

 力の差の大きいチームとの連戦ということで、森保監督に総入れ替えを“決断させてしまった”とも捉えることができ、そこは大きな反省点ではないだろうか。

 森保監督は3年後のカタールワールドカップを見据えて少しずつチームを作っているはずで、今は初めの数歩だろう。とはいえ、貴重な機会を無駄にしてもいけない。やりくりの難しさは代表監督ならではと言える。

 この試合は主力で、次はその他のメンバーでという考えから離れてみるのも手だ。コロンビア戦を含めて親善試合でベストメンバーを組む必要は無く、段階的にテストしたい数人を組み込みながらチーム作りを進めていくのがベストではないか。

【了】

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