韓国はなぜ1点しか取れなかったのか
夏のコパ・アメリカに向けて残された数少ない実戦の機会。26日のボリビア戦は、森保一監督率いる日本代表のポテンシャルを推し測るための重要な一戦となりそうだ。
0-1で敗れた22日のコロンビア戦から、先発メンバーも大きく入れ替わると見られる。有力な候補者が現チーム外にも多くいる状況で、このボリビア戦に出場する選手たちは生き残りをかけた猛アピールが必要だろう。
ボリビア代表は直近22日の韓国戦を0-1で落とした。だが、スコアこそ1点差ながら、宇佐美貴史が「韓国がシンプルに決定機を外しているだけだったように思いました」と述べたように、「4、5点入ってもおかしくない内容」だったのは間違いない。
先に対戦したコロンビアに比べれば実力でかなり劣る相手。日本も負けるわけにはいかない。特に人材豊富な前線の選手たちは、目に見える結果を残すために燃えているだろう。宇佐美も「何としても結果を残したいという危機感めいたものは一番あるんじゃないか」と気を引き締めていた。
ボリビアは2月にエドゥアルド・ビジェガス監督が就任したばかりで、新体制では日本戦が3試合目。その指揮官が「我々は今、新しいプロセスをスタートさせようとしている段階」と語った通り、チームとしての明確なスタイルを完成させられていない状況に見える。
ニカラグア戦は2-2のドローだったが、劣勢を強いられた韓国戦では前半から度々決定機を作られた。その原因として、組織守備の拙さと選手間の距離の遠さが挙げられる。4-4-2を基本布陣にしているものの、守備時はそれほど前からプレッシャーをかけるわけではなく、ある程度ブロックを敷いて後退しながらボールの出たところに最も近い選手が寄せていく。
ところが選手間の距離が空いているため、1人目のプレスがかわされた後、2人目、3人目と連動していくことができない。韓国もそういった相手の弱みを利用し、強度の低いプレスをはがしてからのサイドチェンジを連発していた。
ただ、韓国が苦しんだのはバイタルエリアの攻略だった。鋭い縦パスでスイッチを入れ、細かい連係で中央を崩す場面は少なく、時折ソン・フンミンが中盤まで降りてパスを引き出そうとするほど。日本の視点で見れば、このバイタルエリア中央の崩しが機能すれば、より容易にゴールを脅かすフィニッシュまで持ち込むことができそうだ。