まるで難攻不落の城
驚異的な高さと強さを誇るFWジョー、J屈指のテクニックを持つMFガブリエル・シャビエル、抜群の決定力を見せるFW赤﨑秀平、周りの選手を生かして敵陣に侵入してくるMF和泉竜司。名古屋の強力アタッカー陣が怒涛のように東京ゴールに迫り続けたが、ホームチームの守備陣は冷静に力強く対応していった。
1人がボールを持つ相手にチャレンジすると、その後ろには味方選手がきっちりと入りリスク管理とカバーを怠らない。もしシュートシーンまで持ち込まれても、あきらめず体を寄せ、万全の態勢で打たせずコースを限定した。
そして最後に待ち構えるのがGK林彰洋。絶妙のポジショニングと鋭い反応で好セーブを連発し完封勝利を引き寄せた。幾重にも備えがされる様子は、まるで難攻不落の城のよう。名将・風間八宏監督率いる名古屋ですら、東京の堅城を落とすことはかなわなかった。
「全体的に悪い試合とは思っていません」と敵将が話したように、アウェイチームの出来は決して悪くはなかった。
ただ、今回は東京の守備が相手を上回った。
「今の結果に不思議な気はしないし、自分たちの昨年からやってきたこと、それが結果としてあらわれている」とDF森重真人は淡々と、しかし自信をみなぎらせて語った。