あのテクニシャンとついに共演
ベシクタシュが手にした新たな攻撃オプション、その可能性は――。
16日、冬に退行したボーダフォン・アリーナ。冷たい空気が支配していた。スュペル・リグ第26節、対ギョズテペ戦。香川真司はトップ下のポジションで先発出場を果たす。背番号23の左に陣取るのは、アデム・リャイッチだ。足元の技術に定評のある2人が同時にピッチに立つのは、この試合が初めてのことである。
前節コンヤスポル戦の後で香川は、このセルビア代表MFとの共演について、次のように語っていた。
「練習からやっていても、やはり技術が一番高いと思っているので、そしてイマジネーションの共有も非常にできる選手なので、ぜひ一緒にプレーしてみたいなっていう気持ちの方が強いです。そういう意味では共存は十分に可能なので、後は監督が判断するだけで、ただ、そこのイメージはもう十分できています」
待ち望んだ生粋のテクニシャンとの共演。だが、このギョズテペ戦だけでは、その攻撃ポテンシャルが花開いたとは言い難かった。
前半のギョズテペは、16位と下位に低迷するチームとは思えないほど、[4-1-4-1]でしっかりとした守備組織を構築。まるでブンデスリーガのチームのように、連動したプレスを仕掛けてくる。香川もボールを持てば複数の選手に囲まれ、タイトな守備に苦しめられた。
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