不安を一掃したマルティネス監督の人柄
三重県四日市市の名物グルメ、トンテキ丼がお気に入りになって久しい。全国的に有名な同津市の鰻にも、美味しいと舌鼓を打った。JFLの開幕を目前に控えた鈴鹿アンリミテッドFCの女性指揮官、スペイン人のミラグロス・マルティネス監督は異国の地での生活にすっかり順応している。
「時差にも文化の違いにも、すぐに慣れることができました。昔から旅行が好きで、その先々の食べ物にも積極的にトライしてきたんですけど、お味噌汁だけはちょっと苦手ですね。あとはすべてにおいて満足していますし、快適に過ごすことができています」
笑顔を浮かべながら日本での日々を振り返る、33歳のマルティネス監督が来日したのが1月14日。鈴鹿の吉田雅一常務取締役らが抱いていた一抹の不安は、中部国際空港セントレアの到着階ロビーに新指揮官が姿を現した直後に吹き飛ばされた。
地元・三重県のメディアだけでなく、出迎えに駆けつけたファンやサポーターに対しても、マルティネス監督が長旅による疲れを見せることなく、丁寧に対応していたからだ。吉田常務取締役が偽らざる胸中を明かす。
「取材にも笑顔でずっと答えていましたし、ファンやサポーターの全員に対しても嫌な顔ひとつ浮かべずにサインしていました。メールでやり取りはしていましたけど、来日するまでは実際に会ったことがなかったので。とにかく明るくて気さくな性格で、本当によかった、と」
鈴鹿のフロントの然るべき人物がスペインへ渡り、顔を合わせて交渉を重ねていくのが本来の流れとなる。しかし、メールによるオファーを受け取ってからほとんど時間を置くことなく、マルティネス監督は海外で男子チームを率いることを決意。最初の接触から1ヵ月後には来日した。