カレーラス監督も賛辞を惜しまない逸材
3年への進級を直前に控えた、ごく普通の県立高校生。プリンスリーグ九州で3連覇を目指すサガン鳥栖U-18のキャプテン。そして、2種登録されたトップチームで居場所を手に入れつつあるホープ。3つの顔をもつ17歳の松岡大起はいま、充実感あふれる青春の真っ只中にいる。
サガン鳥栖には2年連続で2種登録されている。もっとも、多度津FC(香川県代表)との天皇杯2回戦で9分間出場しただけだった昨シーズンとは対照的に、幕を開けたばかりの今シーズンで松岡はすでに公式戦で4試合に出場。そのうち3度で先発フル出場を果たしている。
身長170cm体重65kgの体に宿る、稀有な潜在能力にすっかり魅せられているからか。今シーズンから指揮を執る、スペイン人のルイス・カレーラス監督は「非常に信頼しているし、大いなる未来がある選手だと思っている」と、異国の地で見つけた逸材への賛辞を惜しまない。
「評価しているのは謙虚な姿勢であり、学ぶことへの意欲であり、指導者が求めることをしっかりと実践できることだ。彼にはいろいろな要求をしていきたい。なぜならば、彼はもっと、もっとできるからだ。日本代表の監督にも、彼のことを見てほしいと思っている。17歳と若い彼がトップリーグでプレーしていることに対して、私はシャッポを脱いで敬意を表したい」
名古屋グランパスとの開幕節はベンチ外だった。しかし、0-4の大敗を喫した悪い流れを変えるために、リオデジャネイロ五輪代表のMF原川力に代わって、ヴィッセル神戸との第2節での先発に抜擢された。敵地・ノエビアスタジアム神戸は、2万5172人の大観衆で埋め尽くされていた。