昨季ファイナリストの意地を示す
試合終了のホイッスルが鳴り響き、ユルゲン・クロップ監督の表情には笑みがこぼれていた。チャンピオンズリーグ(CL)・ベスト16の1stレグ、ホームでの対バイエルン・ミュンヘン戦を0-0で終えていたリバプールからすれば、「ホッとした」という感想が一番に浮かんでくるのかもしれない。
現地時間13日、フースバル・アレーナ・ミュンヘンで行われた2ndレグでリバプールはバイエルンを3-1で退け、ベスト8進出を決めた。リーグ戦ではマンチェスター・シティに首位の座を明け渡すなど低調なパフォーマンスが見受けられることもあったが、この日の同チームは昨季のCLファイナリストという意地を十分に見せつけたと言ってもいいだろう。
1失点は喫したが、許した枠内シュートはわずかに2本。バイエルンを率いるニコ・コバチ監督も試合後には完敗を認める発言をしていたという。リバプールの勢いは圧倒的だった。
試合開始早々にジョーダン・ヘンダーソンが負傷でプレー続行が不可能となるアクシデントこそあったが、代わりにピッチに立ったファビーニョはうまくゲームに入ることができていた。
バイエルンがボールを保持する展開になるのは想定済み。リバプールはしっかりと守備ブロックを構築し、攻める隙を与えない。相手の司令塔であるチアゴ・アルカンタラにはジョルジニオ・ワイナルドゥムがぴったりと張り付き自由を奪う。エースのロベルト・レバンドフスキにはフィルジル・ファン・ダイクがマーク。ジョエル・マティプはカバーリングでオランダ代表CBを支えた。
しかし、前半20分過ぎまでは、お互いにシュートまで持っていくことができなかった。両者とも集中した守りを見せ、危険なエリアで確実にボールを弾き出すことができていた。
だが一瞬の隙を突いてようやくゴールが生まれる。試合を動かしたのはリバプールだ。