「そのためにユーベも僕を獲得したんだろうしね」(ロナウド)
ユベントスが逆転でのチャンピオンズリーグ(CL)・ベスト8進出を果たすには、3-0以上のスコアで勝利するより他に選択肢がなかった。その状況で、堅守を誇るアトレティコ・マドリー相手に自らハットトリック。クリスティアーノ・ロナウドは、エースとしての重責を見事に果たした。
右に左に流れてのチャンスメイクに、ファウルを誘って相手の反撃の流れを断つ老獪さ、そして何より、ゴール前での圧倒的な存在感。120億ユーロもの移籍金を叩いて、獲得した甲斐があったというものだろう。「そのためにユーベも僕を獲得したんだろうしね」。衛星TVスカイ・イタリアのインタビューに、彼はそう語っていた。
しかしそのスーパースターは、こうも語っていた。「スペシャルな夜にしなければいけなかったし、そうなった。でもそれは(自分の)ゴールじゃなくて、チームにとってだ」。ハットトリックを挙げたCR7のパフォーマンスは、確かに圧倒的だった。ただこの勝利は、ユーベがチーム全体として素晴らしいパフォーマンスを挙げたからこそ成し遂げられたものだ。
1ゴールでも許せば危機的な状況になっていたところを、枠内シュートゼロに抑える。その一方で、自陣に引く相手を攻め続け、固い守備組織を解体して3ゴールという難業を成し遂げた。監督による戦術の立案と、選手個々の技術と体力。交代選手を含めた14人がチームとしてほぼ完璧に機能を果たしての勝利となった。
マッシミリアーノ・アッレグリ監督は、この試合で新しいシステムをぶつけてきた。ジョアン・カンセロに、この日がCL初出場となるレオナルド・スピナッツォーラを両サイドバックは非常に高い位置に張り、3ボランチの一角と思われたエムレ・ジャンは最終ラインに落ちる。攻撃時には擬似3バックとして攻めたのである。