スコット・モリソン首相とハキーム・アル・アライビ【写真:Getty Images】
オーストラリアで政治難民として認定されたあと、タイで3ヶ月間にわたって不当に拘束される被害に遭った元バーレーン代表のハキーム・アル・アライビに、オーストラリア市民権が認定された。豪州『SBS』など複数メディアが伝えている。
現在25歳のアル・アライビは、2012年にバーレーン政府に対する反政府活動に加担した疑いがあるとして逮捕。実際には活動に参加した事実はないとみられ、不当と言うべき逮捕だったが、釈放後にも身の危険を感じた同選手はバーレーンからの亡命を決意して実行に移した。
2016年にはオーストラリアで政治難民の認定を受け、安全な生活を手に入れたかに見えたが、昨年11月にハネムーンで訪れたタイで予想外の拘束を受けた。バーレーンへの強制送還も示唆するタイ側に対し、釈放を求める国際世論が大きな高まりを見せ、今年2月になってついに釈放が実現した。
アル・アライビは釈放に尽力したオーストラリアに強い感謝を示し、「オーストラリアは僕の国。まだ市民権はないけど、この国で死にたい」とコメントしていた。それから1ヶ月を経て、待望のオーストラリア市民権がアル・アライビに与えられることが決定した。
他に市民権を認定された約200名とともに、アル・アライビはメルボルンで12日に開かれた式典に出席。「市民権を得られて本当に嬉しい。これでようやくどの国も、誰も僕のことを追いかけられない。もう僕はオーストラリア人だからね」と喜びをあらわにしている。拘束時にタイに釈放を働きかけたスコット・モリソン首相も式典後にアル・アライビを祝福した。
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