「所詮、金のためにプレーしている選手にクラブ愛なんてない」
パリ・サンジェルマン(PSG)がマンチェスター・ユナイテッドに敗れ、チャンピオンズリーグ(CL)、ラウンド16で敗退した。
試合の後、パリでは珍しいくらいの大雨が降った。「PSGサポーターの涙かしら…」などと詩的な想像をしてみたものの、それは見事に打ち消された。PSGを応援していた者たちは、泣いて悲しむどころか、怒り狂っていたからだ。
記者仲間のエリックは、「がっかりしたというより腹が立ってるよ!ふがいないったらありゃしない!」と鼻息も荒く、ハイライト映像の画面を睨みつけていた。
サポーターたちのコメントも、「マンチェスター・ユナイテッドのBチームに負けるなんて恥!」「所詮、金のためにプレーしている選手にクラブ愛なんてない」「PSGを一生懸命応援したところで、なんの見返りもない」と、憤りを表す声が目立つ。
パリ郊外にある練習場コン・デ・ロジュの周りには「恥を知れ!」といった落書きが書かれた。セキュリティ面を考慮してクラブは試合後の初練習はスタジアムで行うことにしたが、ここにもサポーターグループが押しかけ、スタンドから「給料泥棒!」などと選手たちに罵声を浴びせた。
また、ウルトラスグループは「選手たちは己のミッションを遂行していない。このユニフォームを着るにふさわしい行いをすべきだ」といった内容の声明文を発表。12日の敵陣でのディジョン戦には帯同しないことを決めた。
新聞やネットメディアには、「呪われている」、「許しがたい失態」「大惨事」といった文字が飛び交った。2011年にカタール勢が実権を握って以降、PSGは12/13シーズンから毎年CLに参戦し、最初の4年はベスト8に進出したが、以降は3年連続ラウンド16で敗退している。とりわけ2年前のラウンド16では、ホームでの第1レグは4-0で勝利しながら、敵地で1-6と、バルセロナ相手に世紀の大逆転をくらった。