神戸に7人目の外国籍選手加入
ヴィッセル神戸の三木谷浩史会長は「現役バリバリどころか、これからますます伸びていくであろうヨーロッパの超一流選手が来るという、ある意味Jリーグにとって久々というか、ほぼ初めてのことなのではないか」と、新たに獲得した選手を絶賛した。
今月7日に神戸加入が発表されたスペイン人MFセルジ・サンペールが、「超一流選手」かはさておき、「現役バリバリ」の欧州で高く評価された有望株であることに疑いはない。6歳からバルセロナで育ち、クラブ史上初めて「完全自家産選手」としてトップチームの公式戦にも出場した経験を持つセントラルMFだ。
半年先に神戸へやってきたアンドレス・イニエスタもバルサの生え抜きではあるが、カタルーニャ州出身ではなく、幼少期に初めて所属したクラブは地元のアルバセテだった。シャビもバルサ入団は11歳で、セルヒオ・ブスケッツは17歳になる2005年の夏までバルサの選手ではなかった。
サンペールは6歳でバルサに入って、その才能を順調に育んていく。各年代のチームでキャプテンを務め、常に自分の年齢よりも上のカテゴリに入ってプレーしていた。そして2013年にバルサB昇格を果たし、2014年9月17日に行われたチャンピオンズリーグのAPOEL戦で先発起用され、背番号26をまとってカンプ・ノウのピッチに立った。
この時は19歳。バルサBで初めてフルシーズンを戦った直後だったものの、近い将来のトップチーム正式昇格も期待されていた。「ブスケッツ2世」とも称される、バルサのピボーテ(アンカー)としての適性を備えた待望の逸材だったのである。
サンペール本人も現地メディアのインタビューの中で「ブスケッツ以上の模範となる存在はいない」と憧れを公言しており、共通する思考を持っていることも証明するエピソードもある。クラブ公式の『バルサTV』で「ADN」という番組に出演した時のことだ。
その中で、サンペールはブスケッツの映像を見ながら次のプレーを予想している。1つ目は自らボールを奪って前を向いた直後、比較的フリーで余裕のある状況で、前方のペナルティエリア手前に2人、自分のすぐ右隣に1人の味方がいる場面。2つ目はピッチ中央付近で後ろ向きにボールを受けて、死角から相手選手がプレッシャーをかけようとしている場面だった。
すると当時バルサB所属だった若手MFは、1つ目を「彼はシンプルなパスを選択する。ボールを奪った直後なのでリスクは冒さない。なぜなら背後には広大なスペースがあるから」と述べ、最も近くにいる味方へのパスという判断を読みきった。