三木谷浩史会長(左)とともにヴィッセル神戸への入団会見に臨んだセルジ・サンペール(右)【写真:舩木渉】
ヴィッセル神戸は7日、スペイン人MFセルジ・サンペールの加入を発表した。バルセロナ生え抜きの24歳はさっそく都内で入団会見を行い、「皆さんの信頼のおかげでアジアでも有数の素晴らしいチームでプレーできることになった」と移籍の喜びを語った。
「今回、ヴィッセル神戸のユニフォームを着られることをとても名誉に感じている。また、ヴィッセル神戸のプロジェクトに参加して結果を出していくことが僕の使命だと思っている」
バルサ式のポジションサッカーを標榜する神戸にとって、S・サンペールの加入は大きな意味を持つことになるか。近年は怪我に悩まされて期待されたほどの活躍を見せられていないとはいえ、6歳からカンテラ(下部組織)で育ち、バルサのスタイルを熟知する有望株の才能に疑いはない。
「神戸にはイニエスタがいて、彼と会うのを非常に楽しみにしている。他にもポドルスキやビジャなど世界的に有名な選手が活躍しているチームで、日本人選手にも山口蛍ら素晴らしい選手もいる。僕もその一員として日本で活躍できることをとても楽しみにしている」
新天地での希望にあふれるS・サンペールは、バルサでのお別れ会見で明かしたイニエスタからの誘いの電話の内容も明かした。そこでは神戸のチームや街の魅力とともに、熱烈なアプローチも受けたようだ。
「アンドレスが僕に電話をくれた時、神戸がいかに綺麗な場所でバルセロナに似ているか、『神戸に住めば君もきっとこの街が気に入るよ』と言ってくれた。そしてチームについては、ヴィッセルはバルサと同じスタイルを標榜しているから君がこちらに来て何も困ることはないと思うし、素晴らしいサッカー人生のステップになると言ってくれた」
S・サンペールはバルサの近年のカンテラ出身選手の中でもとりわけ大きな期待を背負っていた選手だ。グラナダやラス・パルマスにレンタルへ出された経歴があるものの、その期間が終われば必ず呼び戻されてバルサのプレシーズンに帯同するなど、トップチーム定着に向けて継続的にチャンスを与えられてきた。
今季はカップ戦1試合のみの出場で、度重なる故障に悩まされてきたのは間違いない。心機一転、日本での挑戦の中で完全復活を果たし、ヨーロッパ随一の才能を開花させられるか。ピッチ上で奏でられるであろうイニエスタらとのハーモニーにも注目が集まる。
(取材・文:舩木渉)
【了】