「3-0からの引き分けは非常に受け入れ難い」
2月25日、極寒のイスタンブール、ボーダフォン・アレナーー。スュペル・リグ第23節、フェネルバフチェとのダービーを終えた香川真司は、まるで満足していなかった。
今冬にベシクタシュJKに期限付き移籍して以来の、さらに遡れば、昨年10月31日に行われたDFBポカール2回戦、対ウニオン・ベルリン戦以来の先発出場だったにもかかわらず。前半のアディショナルタイム、敵のミスからボールを奪うと、即座にブラク・ユルマズに鮮やかなスルーパスを通し、アシストを記録したにもかかわらずーー。
背番号23は、厳かな表情で試合を振り返った。
「今日は本当に勝ってなおかつ、自分自身が得点に絡むっていうことを最低条件として試合に臨んでいたので、アシストっていうのは非常に良いものを残せたとは思いますけど、やっぱりチームがね、こうやって3-0から引き分けっていうのは、非常に受け入れ難い」
前半だけを振り返れば、ベシクタシュの勝ち試合だった。ボルシア・ドルトムントの本拠地ジグナル・イドゥナ・パルクに比べれば、かなり小ぶりなボーダフォン・アレナは、だからこそか、ダービーで荒ぶる観衆の熱をダイレクトにピッチに反映するところがあるようだ。フェネルバフチェがボールを持てば、耳をつんざくような重たいブーイングが響き渡る。
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