アンドレス・イニエスタはヴィッセル神戸の新たなスタイルに光明を見出しているようだ【写真:Getty Images】
今年もJリーグが開幕を迎えた。22日には他会場に先駆けて、セレッソ大阪がヴィッセル神戸をホームに迎えて1-0の勝利を収めている。
昨季はインサイドハーフでプレーすることが多かった神戸のMFアンドレス・イニエスタは、なんと“0トップ”の位置に入った。左にダビド・ビジャを配置し、まるでかつてリオネル・メッシが“偽9番”と呼ばれる役割を担った頃のバルセロナのような布陣だった。
ファンマ・リージョ監督は変則的な4-3-3を採用した理由として、「両ウィングのビジャとルーカス・ポドルスキが5人を引きつけること」や「イニエスタをできるだけセンターバックから遠ざけてボールに触らせること」などを挙げた。
イニエスタがセンターバックのマークを受けずにボールを持って前を向けば、ウィングのビジャとポドルスキのプレーのベクトルがゴールに向き、必然的に相手守備陣の注意をひけるという算段だったようだ。だが、ボールを持つ時間が長かった一方で決めてに欠き、無得点に終わった。
それでも背番号8の魔術師は自信を失っていない。試合後には「今やっていることをやり続けて、それをどんどん改善していくことしかないかなと思っている」と語り、「チャンスが訪れてもゴールが決まらないこともあるし、ゴールを決めるためにも今やっているこの道を改善していくしかない」と今現在取り組んでいる攻撃的なスタイルを貫く姿勢を見せた。
負けはしたものの、支配する時間の長かったC大阪戦のパフォーマンスそのものには「全体的に今日はいい試合ができたと思う」と手応えを感じている様子のイニエスタ。「これをやり続けて、どんどん改善するのが進むべき道だ」と繰り返し、一致団結してチームスタイルの完成に邁進することを誓った。
(取材・文:舩木渉)
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