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Jリーグ 6年前

広島の新戦力サロモンソンは「子供に話してあげたい、そんな選手」。母国で特別な存在となった理由

サンフレッチェ広島に加入したスウェーデン出身のエミル・サロモンソン。母国スウェーデンの名門IFKヨーテボリで長く活躍し、地元の人々にとっては一選手を超えた存在だという。その背景には難病を乗り越えた強さや、ピッチ外での人柄がある。北欧サッカーに精通する記者がサロモンソンの人物像を伝える。(取材・文:鈴木肇)

text by 鈴木肇 photo by Getty Images

元はアタッカー。サイドバック転向の背景とは?

エミル・サロモンソン
スウェーデン代表のエミル・サロモンソンがサンフレッチェ広島に加入【写真:Getty Images】

 4年ぶりのリーグ優勝を狙うサンフレッチェ広島に、ひとりの外国人選手が加入した。スウェーデン人のエミル・サロモンソンだ。スウェーデンの名門IFKヨーテボリで8シーズンを過ごし、フル代表の経験も持つ。自身初となる国外挑戦の場として日本を選んだ29歳はどんなプレーヤーなのか。

 スウェーデン南部のスコーネ地方で生まれ育ったサロモンソンは、12歳の時に地元のエーケットGoIFでサッカー選手としてのキャリアをスタート。この全く無名のクラブで、毎年夏にヨーテボリで開催される世界最大規模の国際ユース大会ゴシアカップに出場してベスト16という成績を残したこともある。

 この頃から有能な若手選手として周囲から期待されていたサロモンソンは、15歳のときに2部リーグのエンゲルホルムFFにプレーの場を移す。ここで3シーズンを過ごして経験を積んで年代別の代表にも選ばれるようになり、2008年に1部リーグのハルムスタッドBKに移籍する。

 ハルムスタッドに加入するまでは主にサイドハーフもしくはFWでプレーすることが多く、周囲の評価は「スピードと得点感覚に優れたアタッカー」というものだった。

 だが、当時の指揮官で現在はスウェーデンA代表の監督を務めるヤンネ・アンデションは、当時19歳だったサロモンソンを「サッカー選手として非常に賢い」とそのインテリジェンスを高く評価し、右サイドバックにコンバート。「ハルムスタッド加入当時は考えもしなかった」というこの新しいポジションの選手として、サロモンソンは2009年のAIK戦でトップリーグデビューを果たす。

 コンバートした当初は戸惑いの連続だったという。それでも、頭と体をフルに使って右サイドバックのポジションを自分のものにしていく。お気に入りのチームであるバルセロナの試合を観る際は、ダニエウ・アウヴェスのプレーをチェックして参考にした。以来、このブラジル人サイドバックはサロモンソンにとってお手本となっている。

 2009年9月、筆者は休暇でスウェーデンを訪れた際にハルムスタッドの試合を観戦し、そこで初めてサイドバックとしてプレーするサロモンソンを見た。

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