日本代表を取り巻く全ての人が再認識すべき
「2019年アジアカップ(UAE)事実上の決勝戦」と評された28日のイラン戦(アルアイン)を3-0で勝利し、8年ぶり5度目のアジア制覇に王手をかけた日本代表。彼らが2月1日にアブダビで迎えるファイナルの相手がカタールに決まった。
29日夕方、アブダビで行われたもう1つの準決勝・UAE対カタール戦は、地元UAEが圧倒的に有利と目された。UAEの指揮官が2011年アジアカップ(カタール)で日本を頂点へと導いたアルベルト・ザッケローニ監督ということもあり、長友佑都(ガラタサライ)や吉田麻也(サウサンプトン)ら教え子たちも「UAEに上がってきてほしい」と熱望していた。
ところが、UAEは前半の入りが悪く、前半のうちから2失点。後半は反撃に打って出たが、強固なブロックを敷くカタール守備陣を攻略し切れず、逆にDFにミスから2ゴールを献上。終わって見れば、カタールの4-0圧勝という予想外の結果となった。
ザック監督は「全ては監督である私の責任。UAEで15ヶ月仕事をしてきたが、契約は今大会まで」と落胆した表情で語った。その姿が2014年ブラジルワールドカップ惨敗時と重なり、会見場に詰めかけた多くの日本メディアからため息が漏れた。実際、カタールはそれほどまでに強かった。イランと同等かそれ以上の難敵であることを、日本代表を取り巻く全ての人が再認識すべきだろう。
自国開催の2022年ワールドカップに向け、バルセロナのアカデミーでの指導経験を持つカタルーニャ人のフェリックス・サンチェス監督を2017年に招聘したカタールは、以前とは比べ物にならないモダンなサッカーを展開している。もともと中東勢は堅守速攻スタイルを得意としていたが、今大会のカタールはスペイン流のボール回しもできる柔軟なチームだ。