左右サイドから積極的な仕掛け
森保一監督が率いる日本代表は準々決勝でイランと対戦する。5試合で12得点無失のイランは4-3-3をベースに中盤のシンプルな展開から左右のサイドを起点に迫力ある仕掛けで積極的にゴールを狙ってくる。
3トップは中央のアズムンを筆頭に右のジャハンバフシュ、左のタレミが迫力あるフィニッシュを披露してきたが、日本戦ではタレミが出場停止となるため、アンサリファルドか記者会見に登壇したショジャエイ、スウェーデン生まれのゴッドスなどがスタメンの候補となる。
決定的なチャンスの大半がサイド攻撃から生まれているが、アタッキングサードからのバリエーションは豊富だ。またセットプレーからの得点力が非常に高く、ロングボールからでも体の強さを発揮して相手ディフェンスを破ってくる。イランの特徴を象徴する3つのゴールをピックアップして、その怖さと対抗策を考えたい。
(1)グループステージ第2戦・ベトナム戦 1点目
右サイドバックのガフーリが攻め上がり、パスを受けたゴッドスのショートクロスをアズムンがヘディングシュートで決めた形だ。
左インサイドハーフのアミリからアンカーのエブラヒミを経由して、そこから右に展開されたボールをガフーリが受けると、そこでタメを作る間に中央からゴッドスが右に流れながら追い越してパスを受け、ラインギリギリからクロスをあげて、最後はエースのアズムンが完璧に合わせた。
ベトナムは5-4-1という形で日本とは異なるが、注意点は引いて守備を固める時間帯でも、アンカーまで高い位置で起点にさせると、いい形に持ち込まれてしまうということだ。
ここでは1トップに対してうまくアンカーを経由しながら反対サイドに振り、そこでサイドバックの選手が相手の左サイドバックを引きつける間に、ゴッドスが、横に広がったディフェンスラインの間を割ってスルーパスを受けた。
ボールの保持者にプレッシャーをかけることに加えて、サイドを起点にされたときに中央から裏抜けを狙ってくる選手に注意したい。