北川に対する森保監督の期待は明らか
アジアカップで準決勝に進出した日本代表で議論を生んでいる1つが北川航也の起用法とパフォーマンスだ。ここまでスタメン3試合で途中出場が2試合、原口元気と並び5試合全てに出場している北川。大迫勇也の怪我に加え、準々決勝では武藤嘉紀が累積警告で出場停止だった事情があるとはいえ、森保一監督の期待は明らかだ。
しかしながらFWと言っても本格的なポストプレーヤーではない北川がチーム事情といはいえ1トップに張る役割を求められることに関しては懐疑的な見方が多く、特に清水エスパルスでのプレーを見慣れているJリーグのサポーターからそうした声があがるのも理解できることではある。
また、基本的な役割に加えて周りが北川の特徴を理解しておらず、北川の良さを生かせていないという連係面での問題もよく指摘される。その見方自体は間違ってはいないと思うが、日本代表は個々の選手にとって大なり小なり理不尽な環境であり、しかしながらそこを乗り越えた先にしか主力として定着していく道はない。
通常、A代表のキャリアがほとんどない選手が決勝まで7試合を経験できる機会はアジアカップぐらいしかないだろう。例えばアジア予選では2試合ごとに区切られ、そこで十分なアピールができなければ次に招集されない可能性もある。
その意味でも今回の北川は森保監督の評価がどうあれ、願ってもないチャンスの中で、本人もそのことを承知した上で奮闘しているわけだ。4-2-3-1の1トップで起用されたベトナム戦を振り返って課題と改善点を検証してみたい。