会心のゲームに見る内容の乏しさ
今大会の日本がサウジアラビアに勝つために、最も合理的な試合をした。
日本の弱点は、相手に引かれたときの攻撃だ。アタッカーにスピードがあるのでカウンターアタックは有効。相手のポゼッションに対する守備は安定しているが、カウンターに対してはやや不安がある。
こうした現状からすると、相手にボールを持たせてカウンターを狙うのが理にかなった戦い方である。サウジアラビアは逆にボールを持ちたいチームで、カウンター耐性はかなり弱い。対戦相手からいっても、これ以外ないというほど戦略的に正しい。
後半に引きすぎたこと、カウンターで2点目をとれなかったこと、ボールをキープしてペースダウンを図れなかったことが反省点だが、今大会の勝ちパターンにはめて勝ったという意味では会心のゲームといってもいいかもしれない。一方で、ロシアワールドカップからの進歩はみられず。ポゼッション攻撃に威力がなくなったぶん、後退といえるかもしれない。
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