長友佑都【写真:Getty Images】
【日本 1-0 サウジアラビア AFCアジアカップ2019・決勝トーナメント1回戦】
日本代表は21日、AFCアジアカップ2019・決勝トーナメント1回戦でサウジアラビアと対戦し、1-0で勝利した。
試合後、長友佑都は「苦しい試合でしたね、これ」と激闘を振り返った。アジアサッカー連盟(AFC)公式サイトのスタッツによれば、この試合のボール保持率は日本がわずか23.7%だった。「ここまで握られるのは今までにないんじゃないですか」と長友は言う。それでも、精神的にはゆとりを持って戦えていたようだ。
「握られるというか、僕らとしては試合の中でも握らせているという状況で、全然メンタル的には崩れることはなかったので、最終的な部分の怖さが相手にはなかったのでね。そこを集中してケアできれば、問題ないという中でみんなで話し合っていたので、もうちょっともちろんポゼッションできれば良かったですけどね。ミスも多かったし、繋げるところをクリアしてしまったりとか、そういう部分はありましたけど、ポゼッションでサッカーするわけではないので、勝ったチームが強い、それだけですね」
また、長友はイタリアの名門を例に挙げる。
「(ボールを)握らせているんだぞ、最後のところで締めて、集中していれば問題ないというメンタルの部分がピッチの中でも漂っていますよね。それはやっぱり強いチームの、ユベントスとか特に、そういった雰囲気が漂っているんですよ。強いチームというのは、戦い方を変えられますよね。ポゼッションをやれなくても、勝てる方法があるというところですよね」
この試合では冨安健洋にゴールが生まれた。若手センターバックの活躍に長友は「まずはおめでとうと言いたいですよね。20歳という年齢であれだけ堂々と、しかもこうやってチームを助けるゴールをとるというのは、並大抵のことではない。彼のメンタルも含めて、やっぱり成長しているというのを感じるし、良かったですね。嬉しいです」と喜んだ。
そして、この得点はセットプレーによるもの。「かなり試合前も練習しました」と長友は言う。「狙い通りのセットプレーで点を取れたので、セットプレーとあとはカウンターで点を取れるかなというのは試合前も話していましたし、試合の中でもやれるなというところもあったので、その通りの試合内容になって良かったと思います」と手応えを口にした。
さらに、「若い選手は特に、経験のない選手はこういう試合を積み重ねることによって成長していく。また強くなれるんじゃないかと思いますね」と、苦しみながらベスト8進出を決めたこの試合の価値について語った。
(取材:舩木渉、文・構成:編集部)
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