キルギス戦で露呈した課題
フィリピン代表とのアジアカップ第1戦が終わった後、韓国世論の反応は「ある程度理解できる結果」ということだった。
フィリピン代表が極端な守備的サッカーを披露し、韓国代表は密集した相手の守りを崩すのに苦戦したからだ。もちろんもどかしさを感じた人もいるだろうが、あの狭いスペースを簡単に攻略できる国はそうなかったはずだ。
また韓国が誇るスーパースター、ソン・フンミンがまだチームに合流していないことも皆を納得させた。ソン・フンミンが戻ってきたら…という期待があったからだ。この世論の目線も理解できなくはない。
だが、問題は誰がいる・いない、スペースが空く・空かないなどではなかった。韓国は11日に行われたグループリーグ第2戦、キルギス代表との試合ですべての問題を露呈した。
実はこの第2戦が始まる前まで、韓国国内では「キルギスには勝てるだろう」という自信が膨らんでいた。韓国より格下とされる中国が苦戦の末、勝利を収めていたからだ。その試合でGKの凡ミスが決勝ゴールにつながってしまったのも、根拠の1つだった。某コメンテーターは「簡単に勝てる相手だ」と断言するほどだった。
ところがキルギスはそこまで格下のチームではなかった。筆者は昨年インドネシアで行われたアジア大会のグループリーグでキルギスとバーレーンの対戦を現地で取材した。この試合でキルギスの戦いぶりはかなり新鮮だった。攻撃の面で鋭さは足りないものの、全体的にプレーが速かった。韓国は初戦でバーレーンに6-0と圧勝したいたため、この試合の結果や内容はそこまで真摯に受け止められなかった。キルギスタンを格下とみるムードが強かった。
だが、韓国はグループリーグ第3戦で当たったキルギスに1-0と辛勝した。ソン・フンミンがゴールを決めていなかったら、異様な形に流れても文句の言えない試合だった。難しい試合をしたという人も多かったが、筆者としては「案の定」という印象が強かった。サッカーは何が起こるかわからない、という事実を確認した試合でもあった。