ただのスーパーゴールではなく…
「この試合に決意と覚悟を持って臨めたのか、自問自答しなければいけない結果になったんじゃないか」
キャプテンの吉田麻也は、厳しい表情で試合を総括した。9日に行われたアジアカップのグループリーグ初戦、3-2で辛くも勝利を収めたトルクメニスタン戦を終えてのことだ。
入念に準備してきたであろう相手のカウンター攻撃に何度も晒され、修正できないまま失点。最終的に3ゴールを奪って逆転勝利につなげることができたものの、終盤にも不用意なボールロストからカウンターを浴びて危険な状態を作られた末にPKを献上して1点差まで迫られた。
トルクメニスタンは戦術的に規律がとれていて、日本の弱みを正確に狙ってきた。これまでの公式戦では見られなかった5-4-1を「対日本」の特別なプランとして仕込み、前線の3人によるカウンターに狙いを絞る。
通常の5-4-1とは違い、「4」のサイドハーフは守備から攻撃への切り替え時に素早く中央へとポジションを移し、日本のセンターバックとボランチの間の最も危険なスペースを執拗に突いてきた。序盤から右のルスラン・ミンガゾフと左のアルスラン・アマノフが度々脅威となり、日本は彼らの勢いを前にして後手を踏んだ。
セントラルMFが柴崎岳と冨安健洋という初めてのコンビだったことも多少影響してはいるだろうが、チーム全体として前がかりになって攻める分、2人の背後と押し上げが不十分な最終ラインとの間にぽっかりと大きなスペースが空く。そこが日本の弱点だと、トルクメニスタンは見抜いていた。
「僕と冨安のところでちょっとバランスが悪かったかなというのもありますし、あとはセンターバックとの連係の中でもうちょっとプッシュアップするのか、僕らが下がるのかという部分が曖昧だったことがあると思います。それを相手のストロングポイントであるカウンターのスピードでうまく使われてしまった。ボランチとセンターバック、サイドバックもそうですけど、リスクマネジメントの部分でもうちょっと徹底するところはあると思います」