久々に復帰したパク・チュヨン
ホン・ミョンボ監督が“模索”し続けてきた理想像。その輪郭がいよいよ見えてきた。
ブラジルW杯を前にした最後の公式Aマッチで、韓国はギリシャに2-0で完勝。韓国メディアは今回の勝利を、「W杯に“青信号”!」「完璧」「待っていろ、ブラジル!」などと肯定的な見出しで祝福し、失墜していたサッカーファンからの信頼も完全に取り戻した。そして事実上、最終メンバーは決まったものと考えられる。
ギリシャ戦のメンバーをあらためて振り返ると、攻撃陣はすべて海外組で構成された。ワントップには13ヶ月ぶりに代表復帰したパク・チュヨン、2列目にソン・フンミン、ク・ジャチョル、イ・チョンヨン。
そして攻防の要キ・ソンヨンのパートナーには、柏レイソルのハン・グギョンが選ばれた。サッカー専門ネットニュース『FOOTBALLIST』のリュ・チョン記者は、攻撃陣について話す。
「やはり先制点を決めたパク・チュヨンと、1ゴール1アシストを記録したソン・フンミンが良かったと思います。二人ともコンディションが抜群でした。ソン・フンミンはスピードを生かして、ギリシャの守備陣に積極的に切り込み、相手の裏のスペースをついた。パク・チュヨンは“なぜ彼が選ばれたのか”という疑問に、実力で答えてみせました」
得点力不足を嘆いていた韓国にとって、何よりもパク・チュヨンの復活は大きい。そもそも彼はW杯予選7試合で6ゴールを叩き出した屈指のゴールゲッターで、その実力は折り紙つき。
以前、韓国サッカー専門誌『Four Four Two』編集デスクであるホン・ジェミン氏も、「パク・チュヨンが代表入りしたり、外れたりしているのは、ピッチ外で問題があったからというところが大きい」と話していたように、必要だったのは“結果”だけだった。そんな最終ハードルを見事に越えたのだから、ワントップをめぐる論議には終止符が打たれたと言えるのではないだろうか。