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ザック元日本代表監督「アジアは大きく進歩した」。UAE率い自身2度目の大陸制覇狙う

text by 編集部 photo by Wataru Funaki

アルベルト・ザッケローニ
UAE代表を率いるアルベルト・ザッケローニ監督【写真:舩木渉】

 現地時間5日、いよいよアジアカップが開幕を迎える。大会初日にはホスト国でもあるUAE代表がバーレーン代表と対戦する。

 UAEを率いるのは、かつて日本代表の監督としてブラジルワールドカップにも挑んだアルベルト・ザッケローニ。65歳になったイタリア人指揮官は、4日に行われた記者会見で「我々は皆、この大会で卓越したパフォーマンスを発揮するのを待っている。準備は非常に良くできている。上層部も最大限のサポートをしてくれた」と初戦に向けた手応えを語った。

 今大会はザッケローニ監督のみならず、実績豊富な外国人監督の姿が目立つ。韓国代表のパウロ・ベント監督は、中国代表のマルチェロ・リッピ監督、フィリピン代表のスベン=ゴラン・エリクソン監督、ウズベキスタン代表のエクトル・クーペル監督など欧米で名の通った指導者も多い。

 他にもスペイン人やイングランド人、ベルギー人など多様な国籍の指揮官がいる中で、ザッケローニ監督は「アジアカップ優勝」という他にはない貴重な経験を持っている。8年前、日本代表を率いて大陸の頂点に立った。

 ただ、「私は日本代表の監督としてこのタイトルを獲得したが、それはもうかなり前のことになる」と語るザッケローニ監督は、「アジアカップで私が日本代表を率いていた頃に比べ、アジアのチームのパフォーマンスは大きく変わった」と久々に戻ってきた舞台が8年前とは別物になると感じているようだ。

「昨年のワールドカップを見ても分かる通り、アジアのチームにはフィットネス面や戦術面で大きな進歩が見られた。このアジアカップでも、そのことをさらに裏付ける証拠が見られると私は確信している」

 確かに2018年のロシアワールドカップでは決勝トーナメント1回戦で日本代表がベルギーに肉薄し、グループリーグでは韓国がドイツを破った。イランもポルトガルと引き分け、スペインにも食い下がるなど善戦した。

 そういった各国の「進歩」を目の当たりにし、アジアのレベルの向上をザッケローニ監督はひしひしと感じている。アジアカップは出場国数が16から24に増えて大会全体のレベルの低下も叫ばれているが、65歳のイタリア人指揮官は「多くの試合が非常に拮抗したものとなり、勝つか負けるかの差は細部のちょっとしたところにまで及ぶだろう」と予測した。

 前回大会は準々決勝で日本を破ってベスト4に進出したUAEは、今大会のホスト国としてのプレッシャーも背負って戦う。「私は1年と少しこの仕事に携わってきたが、その目標はアジアカップを制することだ」とザッケローニ監督は自信をのぞかせる。他のチームも確かな成長を遂げる中、最重要ミッションを成し遂げることはできるだろうか。

(取材・文:舩木渉【UAE】)

【了】

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