古巣PSGのファンも温かい拍手
リーグアンの前半戦最終節で、久しぶりにピッチサイドに立つヴァイッド・ハリルホジッチ監督を見た。
パリ・サンジェルマン対ナント戦。
感情むき出しで選手たちに檄を飛ばし、ときどき審判にも食ってかかる。でもその背中は生き生きとしていた。自分の居場所に帰ってきた喜びを満喫しているかのように。
ハリル監督率いるナントは前半戦は0-0でしのいだが、後半68分、キリアン・エムバペに得点を許して1-0で惜敗した。
リーグ前期の17戦(フランス全土でのデモ行動により2試合が延期に)で50得点を獲った攻撃力抜群の今季のPSGに1点もとらせなかったクラブはチャンピオンズリーグも合わせて一つもなく、1点しか取らせなかったのも、リーグアンではトゥールーズとストラスブール、そしてナントしかいないから、善戦したといっていい試合だ。
実際、ネイマールこそいなかったが、エディソン・カバーニやアンヘル・ディ・マリアらパリの強力攻撃陣は、攻めあぐねて苦しい表情を浮かべていた。
PSGはハリル監督にとっては古巣だ。選手時代に1年間プレーし、監督としても2003-04シーズン、リーグ準優勝とフランス杯優勝をもたらしている。その翌年は成績不振や一部選手との軋轢もあってシーズン半ばで解任されたが、試合前のメンバー発表で敵将ハリルホジッチの名前がコールされると、パルク・デ・プランスのスタンドからは温かいオベーションの拍手が贈られた。
ハリル監督の戦術は、一対一でボールホルダーにハードプレスをかけて、ボールの出しどころを絞って手詰まりにさせ、ボールを奪い取ったら少ないパス数で瞬時に攻め上がる、という彼らしいものだった。
通常は4バックだが、このPSG戦のように攻撃力の高い相手に対しては5バックで対応している。
そして前半戦は、渾身の“デュエル”でノーゴールで乗り切った。