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Jリーグ 6年前

柏、大型補強も采配&人事で最低評価のE。飛躍目指すも混迷極め、まさかのJ2降格【2018年Jリーグ通信簿】

今シーズンのJ1リーグも全日程が終了した。この1年を振り返り、各クラブはどのようなシーズンを過ごしたのだろうか。今回は、優勝争いを期待されながら自動降格となった柏レイソルの今季を振り返る。

シリーズ:2018年Jリーグ通信簿 text by 編集部 photo by Getty Images

後手を踏んだ監督人事

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柏レイソルはまさかの自動降格となった【写真:Getty Images】

 昨季4位に入った柏レイソルは、若手の活躍が顕著だった。GK中村航輔はビッグセーブを連発し、中山雄太と中谷進之介のセンターバックは守備の要に成長。手塚康平はその左足でピッチに魔法をかける。下部組織出身の彼らは、クラブの希望となった。

 また外部から“血”を入れ、融合も図った。右サイドバックの小池龍太はアップダウンだけでなくゲームメイクにも磨きをかけ、快速アタッカーの伊東純也は日本代表にまで上り詰めている。

 今季はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)制覇も視野に入れ、大型補強を敢行。江坂任、瀬川祐輔、小泉慶、パク・ジョンスといった実力者を加え、他クラブが羨む戦力を整えた。しかし、結果は17位で自動降格。第一目標に定めたはずのACLもグループリーグ敗退の憂き目にあった。

 戦いが安定せず、思うように白星を増やせない。逆転で落とす試合もあり、ポイントを重ねるべき時に取りこぼしていた。そして、前半戦終了直前に下平隆宏監督を解任。アカデミー時代から有望株を育て、チームを躍進させた昨季の功績は大きかったが、クラブは変化を選んだ格好だ。

 しかし、これが裏目に出る。後を引き継いだ加藤望監督はプロチームの監督経験がなかった。就任後最初のリーグ戦は勝利したが、ロシアワールドカップ後のJ1で4連敗スタート。白星を手にした試合はあっても、浮上のきっかけを掴むような戦いは見せられなかった。

 少しずつ順位が後退し、ついには自力残留の可能性も消滅。そして、残り2試合という段階で今季2度目の監督交代。岩瀬健監督は短期間でチームを蘇らせ、第33節・セレッソ大阪戦を3-0と快勝で飾った。しかし、残留を争うライバルも揃って勝利したため、この時点で柏のJ2降格が決まった。実質的に消化試合となった最終節では、ガンバ大阪を4-2で下し、勝利でシーズンを締めくくった。

 昨季以上の成績を目指してスタートした2018年だったが、望んだものは得られず。それだけでなく、来季はJ2で戦うことになった。

 来季の新監督にはネルシーニョ氏が就任する。前回、柏を率いた時はJ2で選手たちを鍛え、翌年の2011年には昇格即優勝も成し遂げた名将だ。当時の再現ができれば素晴らしいが、レベルの上がった今のJ2で同じことができるかはわからない。それでも、勝者のメンタリティを植えつけられる指揮官であることは間違いない。再出発となる来季、柏レイソルはどのような戦いを見せるだろうか。

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