“6部リーグ”から見据える東京五輪
小枇ランディという選手の名前を、覚えておいた方がいいかもしれない。今シーズンから参戦した東北社会人2部南リーグを18戦全勝、総得点139に対して総失点12という圧倒的な実力差で制し、来シーズンからの同1部昇格を決めたいわきFCのルーキーにして、198cmの長身を誇る大型ストライカーだ。
リーグ戦では4度のハットトリックを達成するなど、最終的には23ゴールをマーク。チームメイトのFW菊池将太に1ゴール差をつけて堂々の得点王を獲得した。6度の先発を含めて13試合に出場。プレー時間は744分間だったから、1試合あたりのゴール数に換算すると「2.78」という驚異的な数字を弾き出す。
最大のストロングポイントである長身を駆使して空中戦を制し、ヘディングで決めたゴールが11を数える。放ったシュートの総数が64本だったから、シュートを3本放てば、そのうち1度はゴールネットを揺らした計算になる。決定力の高さは、異次元のレベルにあると言っていい。
アルビレックス新潟U-18でプロになることを夢見ながら、トップチームへは昇格できないと昨夏に告げられた。ショックを乗り越えて、練習に参加する機会を得たいわきFCで、仕事をしながらサッカーを続ける決意を固めた。いまではプロになること以外に、もうひとつの夢を描く。
「東京オリンピックは目標であり、意識しています。僕自身、東京オリンピックの世代であり、年齢的にもベストだと思っているので、出場したいとずっと思ってきました」