宇賀神友弥が“神ボレー”
平成最後の天皇杯決勝が、9日に埼玉スタジアム2002で行われた。勝ったのは実質的に“ホーム”の大声援に支えられた浦和レッズ。前半にコーナーキックから宇賀神友弥が決めた神がかり的なボレーシュートの1点を守り抜き、ベガルタ仙台を下した。
今年一番の寒さと言われる中で行われたタイトルマッチは、13分に動いた。浦和はショートコーナーの流れから、相手ディフェンスが頭でクリアしたこぼれ球に宇賀神が右足を振り抜いて先制。走り込みながらタイミングを合わせた一発は、GKシュミット・ダニエルの腕をかすめてゴールネットに突き刺さった。
試合後、この得点場面について浦和の選手たちに尋ねると、一様に「練習してきた形だったので」という言葉が返ってきた。相手選手が試みたクリアに反応してのシュートだったため、偶然のように思われがちだが、実は仙台のセットプレーの守備を研究し尽くしたうえで生み出されたゴールだったことがわかる。
仙台のコーナーキックの守備は、このところ一貫してゾーンが採用されていた。ペナルティエリア内で構える際の陣形もほぼ同じ。最も危険なニアサイドにセンターバック1人を含む4人がひし形で並ぶ。ゴールポスト横、ゴールエリア角、ゴールエリア手前の3人の背後に長身のセンターバック(主に平岡康裕)が構える。
さらにファーサイドはゴールエリアのライン上に3人、それよりも若干高い位置に2人が配され、フィールドプレーヤーの残る1人はこぼれ球の回収係としてゴールから離れたところに立つ。これが仙台のコーナーキック守備の際の人員配置だ。