“ライバル”対決とは言いがたい両者の現状
“方程式”は整っている。12月8日、FCシャルケ04とアウェイで戦うボルシア・ドルトムント。153回目の“レヴィア・ダービー”だが、今季はどこか盛り上がりに欠ける。ドルトムントが無敗のままブンデスリーガで首位に立っているのに対して、シャルケは12位。13試合を終えて14得点18失点と、攻守のバランスも良くない。2位で終えた昨季の安定した強さからは程遠い。彼我の差は大きく、“ライバル”同士の激突とは言い難いのだ。
今季の“ケーニヒスブラオ”はチャンピオンズリーグ(CL)と並行して戦っているため、ドミニク・テデスコ監督の戦術の浸透がうまくいっていないようだ。ミッドウィークにCLの舞台を戦うことになると、リカバリーに費やす時間は増え、戦術理解のための練習時間は必然的に少なくなってしまう。
さらにセバスチャン・ルディ、ズアト・ゼルダー、オマル・マスカレル、マルク・ウート、サリフ・サネ、ハムザ・メンディル、スティーブン・スクリブスキ…と、新加入選手が多いだけでなく、試合毎に選手の入れ替えもあることで、まだチームとしての輪郭ができあがっていないようである。
6日に行われた会見で、ルシアン・ファブレ監督は、次のように語っている。
「この前のホッフェンハイム戦を観たが、シャルケは危険だったね。我々はホッフェンハイムと対戦することの難しさを知っている。彼らは良くやった(結果は1-1のドロー)が、今誰か一人の選手について述べることはできない。何人かの選手がとても危険だ」
スイス人指揮官は、特定の要注意人物の名を挙げることはなかったが、上述のシャルケのチーム状況を反映したコメントと捉えることもできる。チームとして骨格ができあがっていないのだから、“骨”となる選手の名を挙げるのは難しいだろう。
もちろんファブレ監督は、シャルケを簡単な相手だとは見なしていない。
「この前のホームでのフライブルク戦は難しかった。その前のマインツ戦はとてもとても難しかった。だから我々は本当に、ゲルゼンキルヒェンでの試合もとても難しくなることを知っている。それは明らかだ」