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東京V守護神がヘッドで劇的決勝弾を演出。上福元直人「強い気持ちでボールが吸い寄せられた」

text by 編集部 photo by Getty Images

上福元直人
劇的勝利に喜びを爆発させる東京ヴェルディのGK上福元直人(右)【写真:Getty Images】

 J1参入プレーオフの2回戦は、劇的な幕切れとなった。横浜FCのホームに乗り込んだ東京ヴェルディは、後半アディショナルタイムも終了間際の51分に劇的な決勝ゴールを奪い1-0で2日に行われた運命の一戦を制した。

 ジュビロ磐田が待つJ1・J2入れ替え戦に進むこととなった東京V。最終盤のゴールは、コーナーキックから生まれた。MF佐藤優平が右から蹴り込んだボールに、ペナルティエリア内まで上がっていたGK上福元直人が頭で合わせる。このシュートは一度相手GKに防がれるも、こぼれ球に途中出場のブラジル人FWドウグラス・ヴィエイラが詰めた。

 果敢な飛び込みから、あわやゴールというヘディングシュートを放った上福元は「強い気持ちで自分のところにボールが吸い寄せられたと思うし、みんな勝ちたいと思っていたので、本当に自分だけの力じゃない、その一心だけです」と、劇的な“アシスト”を振り返る。

 今季はJ1リーグ戦で清水エスパルスのGK六反勇治がヘディングでゴールを奪い、J2のプレーオフでは4年前に当時モンテディオ山形に所属していたGK山岸範宏がジュビロ磐田相手にヘディングから決勝点を挙げて“山の神”と称えられた。

 しかし、今回の上福元は惜しくもゴールとはならず、「決まらなかったんで、僕はまあその程度かとは思いましたけど(笑)」と冗談も。それでも「強い気持ちをもってトライすれば、ああやっていい方向に転がっていく」と、最後まで諦めない姿勢がドウグラス・ヴィエイラの一発につながった。

 コーナーキックを蹴った佐藤とは一切打ち合わせなし。思い切ってニアサイドに飛び込んだことで道が開けた。こぼれ球を狙うより「自分がボールにダイレクトに触りにいく方がいいんじゃないか」という考えこそあったものの、「(佐藤)優平からまさか自分のところに本当に真っ直ぐボールがくるとは思わなかった」と、とっさの判断で体が動いた。

 上福元は「本当に全員の思いが乗ったゴール」だと強調する。次は8日、J1クラブの磐田に挑む。三たびアウェイで“下克上”を狙う大一番に向け、不屈の守護神は「本当にあと1つ取らないといけないので、今日の勝ちが無駄にならないように、次の試合でどれだけできるかというところだけ考えて、チームの準備をしたい」と、改めて気を引き締めていた。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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