“引き分けでいい”は試合を難しくするのか
システムは単純とは程遠く、参加するチームは自動昇格を逃したショックから立ち直りきれていないことも多い。アドバンテージを与えられたチームがそのチャンスを逃してしまうことも少なくないが、Jリーグのプレーオフは毎年のようにシーズンの締めくくりとして素晴らしいドラマを提供してくれる。
42試合に及ぶJ2のシーズンは、最終的に生きるか死ぬかの緊張感に溢れる90分間の戦いに凝縮される。J1の16位チームを加えてさらに長い道のりとなった今年のJ1参入プレーオフの初戦も、長く記憶に残っていく数々の名勝負のカタログに追加される一戦となった。
より上の順位でシーズンを終え、引き分けでも勝ち進めるという恩恵を得ながらも、大宮アルディージャはシーズン最後の勝ち抜き戦から滑り落ちてしまった。東京ヴェルディと対戦した日曜日の試合は、10人の相手にホームで0-1の敗戦を喫する結果に終わった。
「引き分けで良かったのにそれができなかった。残念だ」と大宮のFWロビン・シモビッチは試合後に語った。
「全く良い戦いができず、今日は東京ヴェルディにやられてしまった。彼らには突破の資格があったと思う」
石井正忠監督のチームが1点を追う状況となった81分に交代で投入されたスウェーデン人FWはさらに、大宮に意図が欠けていたことを嘆いた。
「自分たちが何をすべきなのか本当に分かってはいなかった。全体的に相手に試合を支配され、受け身になってしまったように感じられた。受け身になるのは危険なことだ。引き分けでもいいという戦いをすべきじゃない。1-0にすることを狙って、それから下がって(より守備的に戦って)もいい。だがそれができなかったからこうなってしまった。みんなそのことに怒っている」