強気のキルギス、日本戦の目的とは
来年1月のアジアカップに向けた最後のテストマッチが、20日に行われる。相手はFIFAランキング90位のキルギス代表。森保一監督が就任して以降の日本代表にとって、これまでで最もランキングの低い相手との対戦になる。ただ、同時に最も難しい試合になることも予想される。
キルギスは中央アジアに位置し、北はカザフスタン、東に中国、南にタジキスタン、西にウズベキスタンとアジアの大国に囲まれた人口約600万人を抱える中規模国家だ。かつてはウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、タジキスタンとともに旧ソビエト連邦に属し、今でもロシア語は公用語の1つとして使われている。
実はあまり知られていないが、キルギスは国土の約40%が標高3000mを超える高地で、首都ビシュケクも標高800mのところにある。東の中国国境にそびえる天山山脈の最高峰ポベーダ山は標高7439mを誇り、4000m級の山も珍しくないという高山国家なのである。
だが、そんな土地でもサッカーは国民にとって一番人気のスポーツ。レスリングやバンディ(サッカーグラウンドと同じくらいの広さの氷のリンク上で行われるホッケー。アイスホッケーの起源とも言われる)も盛んだが、サッカーにはかなわないという。
キルギスサッカーの最近の躍進は代表チームのアジアでの戦いを見ればよくわかる。A代表は来年1月のアジアカップで初出場を果たし、U-23代表は今年のアジア大会のグループリーグでは、その後優勝することになる韓国を大いに苦しめた。
日本戦に向けてキルギス代表のアレクサンデル・クレスティニン監督は「試合をするからには同じレベルであるという気持ちでやりたいと思っています。もちろん日本がホームで、我々がアウェイで、ランキング的にはかなり下ではありますが、何かを犠牲にするのではなく、お互い同じサッカー選手としてやるべきことをやりたい」と強気を貫いていた。
そして初出場のアジアカップに向けた最後の実戦の機会で、日本と同じ目的を持っている。強面のロシア人指揮官は「我々が考えていたアジアカップでどういうサッカーをやるかというアイディアをどれほど実現できるか、さらにどのような選手を選べばいいか、我々の目標に沿って動くことができる選手を見極めるのが目標」とも述べていた。