柴崎と遠藤のボランチコンビが輝く
来年1月のアジアカップを前にした最後のテストと位置づけられる11月シリーズ。16日に大分で行われたベネズエラ戦は両チームと審判団が交通渋滞に巻き込まれるトラブルはあったものの、組織力と個人能力の両面に優れる相手のおかげで非常に良いシミュレーションになった。
続くキルギスも同国初のアジアカップ出場を決めており油断は禁物だが、「2試合でなるべく多くの選手を使いたい」と語る森保一監督の方針から考えれば、よりオプションを重視した選手起用が想定される。GKでシュミット・ダニエルをA代表デビューさせるサプライズはあったが、ベネズエラ戦のスタメン選手がほぼアジアカップに臨む日本代表のベースになりそうだ。
その中でも90分間プレーした遠藤航と柴崎岳のダブルボランチは日本代表の新たな”心臓”になりうる資質を示している。2人の関係はイメージからすると遠藤が守備的、柴崎が攻撃的となりがちだが、実際はかなり攻守両面をシェアしており、例えば攻撃面において下がり目で最終ラインからボールを引き出すプレー、前目でボールをさばくプレー、機を見ての攻め上がりなどを両者が代わるがわる行なっている。
興味深いのは遠藤が下がって受ければ、柴崎は前目にポジションを取るなど、1つの局面で役割が被るシーンがほとんどないことだ。ザックジャパンでは遠藤保仁と長谷部誠が固定的にこのポジションを担い、当時のアルベルト・ザッケローニ監督に「チームの心臓」と呼ばれていたが、森保ジャパンでは遠藤と柴崎がそういう存在になりつつある。
遠藤は9月から継続的にボランチで起用され、安定して森保監督に存在価値をアピールしている。ベネズエラ戦で特筆するべきは柴崎だ。序盤こそ実戦感覚の不足のせいか、ウォーミングアップの時間が短かった影響かイージーミスが目立った。