ベネズエラ代表のMFヤンヘル・エレーラは昨年対戦した堂安律のことを忘れてしまっていた【写真:舩木渉】
日本代表との国際親善試合を16日に控えるベネズエラ代表が、14日に大分市内で練習を行った。
ベネズエラ代表には若い選手が多く招集されており、その中には昨年のU-20ワールドカップで日本を負かした者たちも含まれてる。MFヤンヘル・エレーラもその1人だ。
昨年5月30日に韓国・大田で行われたU-20ワールドカップの決勝トーナメント1回戦。日本対ベネズエラは90分間で決着つかず、延長戦の末にベネズエラが1-0の勝利を収める、まさに激闘だった。
やはりY・エレーラも、U-20ワールドカップの日本戦のことをしっかり覚えており、「日本も僕たちも素晴らしいプレーをした。結果は僕たちにとっていいものとなり、日本にとっては悪い結末になってしまった」と振り返った。
そこでU-20ベネズエラ代表との一戦に先発出場し、今回の日本代表にも選ばれているMF堂安律のことを覚えているか尋ねてみた。当時の堂安はグループリーグで3得点を挙げて大会でも注目される存在。ベネズエラ戦ではクロスバー直撃の強烈なフリーキックも蹴っていた。
しかし、Y・エレーラはピンときていない様子。「名前は?」と首をかしげる。こちらも堂安の写真を見せ、名前と当時の背番号が「7」だったことを伝えたが「いや…彼のことは覚えていない。彼は日本代表にいるの?」と逆に質問を重ねられてしまった。
どうやら直接対戦したにもかかわらず、相手のエースだった堂安のことは記憶に全くない様子。ニューヨーク・シティFCでプレーするY・エレーラは18歳だった2016年にベネズエラ代表デビューを飾り、現在まで6キャップを積み重ねている。
今年の9月に日本代表初招集だった堂安は、一足越されている形になる。1年前の対戦を忘れられているなら、実力と成長を証明して見返すしかない。ピッチ上で相手よりも卓越したパフォーマンスを発揮し、Y・エレーラの記憶を呼び覚ますとともに、一生忘れられない新たな思い出を刻み込みたいところだ。
(取材・文:舩木渉)
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