森保監督が評価した「スペシャルなもの」
森保一監督は11月のベネズエラ戦とキルギス戦に臨む日本代表メンバーを7日に発表した。3度目の招集で、来年1月のアジアカップに向けたチームも固まりつつある印象だ。
負傷による入れ替わりを経た後に確定した10月の招集メンバーから、11月は23人中21人に変更なし。森保監督も「これまでキリンチャレンジカップで招集させてもらった選手を中心にアジアカップに臨んでいく、基本的にはそういう考えでいます」と述べており、9月からの3ヶ月で試された選手たちがアジアカップでも中心になっていくのは間違いない。
そんな中で今回、A代表初招集となった選手が2人いる。鹿島アントラーズのFW鈴木優磨と、横浜F・マリノスのDF山中亮輔だ。現日本代表で最も流動的なポジションであるFWには左眼窩底骨折で全治3週間と診断された小林悠や、負傷明けの浅野拓磨などもいる中、今回は鹿島でAFCチャンピオンズリーグ決勝進出に貢献した鈴木にアピールの機会が与えられた。
そして左サイドバックの山中も、千載一遇のチャンスを得た。10月のウルグアイ戦に出場した長友佑都が、代表活動後に気胸によって手術を受けたため復帰時期が不透明に。アジアカップ参戦も難しくなった。
ロシアワールドカップにも出場したチーム随一の経験を誇る男の不在によって、一気に手薄になったのが左サイドバックだった。9月から継続的にメンバー入りしている佐々木翔は健在なものの、今回招集を見送られた川崎フロンターレの車屋紳太郎は負傷明けで、他に目立った候補がいないのが現状で、新たな力を見つける必要性に迫られている。
山中について森保監督は「マリノスで年間を通して継続して試合に出ている、いいパフォーマンスを出しているということで招集させてもらいました」と説明した。今季のJ1で全31試合に出場して4ゴール8アシストという数字が、何よりも説得力のある実力の証明だろう。
「スペシャルなものを持っている選手だと思いますし、特に左利きを生かしてのプレー、クロスや攻撃に絡むプレーは今回の代表招集に繋がった理由です」と、山中の左足に秘められた爆発力は高く評価されている。だが、「パフォーマンスに波がある選手」という指揮官からの率直な指摘もあった。