初招集は2人。アピールなるか
日本代表の森保一監督は11月のベネズエラ戦とキルギス戦に向けたメンバー23人を発表した。横浜F・マリノスのDF山中亮輔と鹿島アントラーズのFW鈴木優磨が初選出された一方で、21人は前回招集されたメンバーと変わらず、来年1月のアジアカップに向けていよいよ陣容が固まってきたことを印象づける。
山中の招集に関しては長友佑都が気胸の手術を行い、しばらく離脱を強いられることがサイドバックの枠を1つ増やしたことは確かだろう。また9月に招集された車屋紳太郎もハムストリングを痛めており、山中としてはこのチャンスを生かさない手はない。
鈴木優磨が入ったFW陣も9月、10月とメンバーに選ばれていた小林悠が前節の柏レイソル戦で左眼窩底骨折により全治3週間と発表されており、前回その小林の辞退で追加招集され、今回も引き続き選ばれた北川航也とともに、森保監督の中での優先順位は不明。確かなのは今回新たに鈴木がチャンスを得たということで、アジアカップでのメンバー入りに向けて存分にアピールできるということだ。
ここで改めて各ポジションの選考の流れをチェックしたい。
【GK】
9月 東口順昭、権田修一、シュミット・ダニエル
10月 東口順昭、権田修一、シュミット・ダニエル
11月 東口順昭、権田修一、シュミット・ダニエル
このポジションについては全く変更がない。9月のコスタリカ戦は東口、10月はパナマ戦で権田、ウルグアイ戦で東口が起用されており、第1GK東口、第2GK権田、第3GKシュミットと序列もはっきりしている。ただ、ここまで出場機会がないにも関わらずシュミットが招集され続けていることにはメッセージがあるはず。
197cmの長身でスケールの大きななセービングを持ち味としており、足もとの技術もあるシュミットは下田崇GKコーチの熱心な指導を受けており、合宿中にはマンツーマンでトレーニングする風景も見られる。
東口と権田が”安定枠”ならシュミットは”伸びしろ枠”とも考えられる構図だ。26歳は”若手”と呼ぶべき年齢ではないが、シュミットやロシアワールドカップメンバーで脳しんとうから復帰したばかり中村航輔を除けば、20代半ばから下の世代のGKがJ1でほとんど出番を得られていない実情がある。
GKという特殊なポジション柄、アジアカップまでよほどのことがなければ序列は覆らないだろうが、大会中は何があるか分からない中で、11月の2試合を森保監督がどう活用していくか注目される。