ギリシャはそれほど変わっていない
ニュージーランド戦は快勝だった。日本は守備面の課題は残しつつも、“仮想ギリシャ”を相手に前半の早い段階で勝負を決めた。一方、“リアル”ギリシャは3月6日未明、ホームで韓国と対戦。ギリシャにとって韓国は仮想日本だったのかもしれないが、結果は0-2の完敗という不安を残すものとなった。
そもそもギリシャは伝統的に堅守のチームだ。攻撃的なスタイルではなく守備を固めるスタイルで、ヨーロッパ予選10試合で許した失点はわずか4ゴール。10試合中7試合を完封しているのだから、DFラインがいかに安定しているかがわかる。
そんなギリシャが、決して得点力に定評があるとはいえない韓国を相手に、まさかの2失点。なぜ韓国はギリシャの守備陣を攻略できたのだろうか。
「ギリシャのディフェンス陣は、韓国の直線的なスピードに対応ができていなかった」と指摘するのは、サッカー専門ネットニュース『FOOTBALLIST』のリュ・チョン記者だ。
「ギリシャは2010年の南アフリカW杯で韓国と対戦したときと、それほど変わっていないという印象を受けました。それは0-2という試合結果が同じだったからではなく、試合内容自体が。
というのも、韓国攻撃陣の速度に比べてギリシャのボランチや守備陣は相対的に“遅い”と感じたからです。南アフリカ大会と同じく、スピードで韓国が上回ったため、こういう結果が出たと思います」
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