約1ヶ月ぶりの出場となった香川
「現状」は決して明るくはない。試合後、香川真司は次のように語った。
「(チーム内での)立場も現状として非常に下の方なんでね、そういう立場もなかなか経験がない中で、今はやっている」
10月31日に行われたDFBポカール2回戦、対ウニオン・ベルリン戦。ルシアン・ファブレ監督は大胆なローテーションを行った。先発メンバーの中でレギュラー格と呼べるのは、ダン=アクセル・ザガドゥ、アブドゥ・ディアロ、アクラフ・ハキミの3選手のみ。GKマーヴィン・ヒッツを筆頭に、MFとFWの選手たちは総入れ替えだった。その中には香川もいた。ベンチに座ったマルコ・ロイスの代わりに、「9.5番」のポジションに入った。9月26日のニュルンベルク戦以来、およそ1ヶ月ぶりの出場となった。
即席状態でなかなか呼吸が合わないチームにあって、香川は、ボールを貰えば前を向いて積極的にプレーした。16分には、ドリブルから反転してマルセル・ハルテルをかわしてシュート。30分には、バイタルエリアでハキミからパスを受けて、マリウス・ヴォルフにスルーパスを通そうとした。40分には、マハムート・ダフートの左からのクロスをヘディングで合わせてシュートを打つ。1度はGKラファエル・ギキエヴィツに防がれたが、すかさずクリスティアン・プリシッチが押し込んで先制。
もちろん味方から背番号23へのパスが上手く通らない場面もあり、周囲との連係不足は明らかだったところはある。香川は「今日もね、久しぶりの試合だったのでね、なかなかリズムであったりっていうのを、掴みづらいっていうのは正直ありました」と振り返った。それでも73分にフィリップの勝ち越し弾を引き出したのは、そもそも香川。
要所要所で勝利に繋がる仕事をしたと言えるだろう。78分間プレーして、ロイスとの交代でピッチを退いた。