輸入国ではない理由
フランスリーグは『輸出国』であると言われる。
このリーグに参入する選手よりも、羽ばたいていく選手のほうが多い、ということだ。
選手の出身国やレベルをアフリカや南米など世界各国の若い世代にまで広げるなら、フランスリーグに参入してくる選手の数は非常に多いから、厳密にはフランスが「輸入側ではない」というのは当てはまらないが、一般的に言われているのは、欧州のトップレベルにあるリーグ間において、ということだろう。
その理由として挙げられるのは、欧州五大リーグの中でもっとも収入=予算が少ないという懐事情だ。
これはデロイト社の16/17シーズンの資料だが、欧州五大リーグ(プレミアリーグ、リーガ・エスパニョーラ、ブンデスリーガ、セリエA、リーグアン)を収入額の多い順に並べると、イングランドがダントツで首位、ドイツとスペインがほぼ同額、イタリア、フランスという順になり、フランスの総収入はイングランドの3分の1にも満たない。
チケット売り上げやマーケティング、スポンサー料など、いずれにおいてもほぼこの順に並ぶのだが、もっとも顕著なのは、現代のサッカー界はこれなしには成り立たないと言われるTV放映権料の差だ。スポンサー料とTV放映権料がほぼ同額のドイツを除き、各国でTV放映権料が年間収入の半分以上を占めている。