亡くなったヴィチャイ・スリヴァッタナプラバ会長【写真:Getty Images】
レスター・シティのヴィチャイ・スリヴァッタナプラバ会長が27日、ヘリコプター墜落事故に巻き込まれて亡くなった。この訃報を受けて、多くのサポーターがスタジアムに訪れ、花束やメッセージを添えている。同会長には、選手・監督・サポーターとの間で、いくつもの心温まるエピソードがあった。
タイ出身の実業家であるスリヴァッタナプラバ会長は2010年8月にレスターの経営権を取得。オーナーとして多額の投資を行い、2015/16シーズンにはクラブをプレミアリーグ初優勝に導いた。当時、クラウディオ・ラニエリ氏がチームを率いている。
ラニエリ氏の誕生日が間近に迫った試合では、スリヴァッタナプラバ会長が巨大なケーキを持ってロッカールームに訪れた。そして、選手たちと共にハッピー・バースデーを歌ったという。また、自身の誕生日には、試合に訪れた観客全員に無料でビールやカップケーキを振舞った。寒い日にはサポーターに防寒用のスカーフを提供したことも。
2015/16シーズンにプレミアリーグ初優勝を果たした後、同会長は選手たちに一台1300万円もする「BMW i8」をプレゼントした。合計19台購入しており、約2億7000万円ほどかかったとされる。誰よりも選手・監督、サポーターの事を考えていたようだ。
米メディア『ESPN』によると、スリヴァッタナプラバ会長の功績を讃え、レスターの本拠地(キング・パワー・スタジアム)の名前を変更する案に1000人以上のファンが署名、像を建てる案に2万人以上の署名が集まっているという。他にもスリヴァッタナプラバ会長の座席を同会長のラッキーカラーである赤に染めて、空席にする案など、様々なアイデアが浮上している。
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