理想的なグループリーグ突破の形
U-19日本代表が世界の舞台まであと一歩のところまできた。25日に行われたAFC U-19選手権のグループリーグ最終戦でイラクに5-0の圧勝を収め、グループBの首位で決勝トーナメント進出を決めている。
3失点を喫しているものの、攻撃陣がしっかりと結果を出して13得点。これは出場全チーム中最多で、8選手がゴールを記録している。例えばグループリーグ3試合で11得点を奪ったカタールはアブドゥルラシード・ウマルが5得点、ハシム・アリが4得点と、2人の力に頼っているのがわかる。一方で日本はどの選手でも、どこからでもゴールできる力を示している。
チームの好調を維持しながらターンオーバーを敷けたことも決勝トーナメントに向けて追い風になるだろう。日本のフィールドプレーヤーは全選手がグループリーグ3試合のいずれかで先発起用され、出場時間も90分から180分の間でコントロールされている。
「突出した10人がいて、それ以外と差があるという集団ではないんです。それぞれに個性を持っていて、いろいろな組み合わせによって違う色が生み出される」という影山雅永監督の言葉通り、3試合ともメンバーを入れ替えても大きな問題は起きなかった。さらに試合展開の中で4バックと3バックを使い分け、決勝トーナメントを見据えながら戦えたことも大きい。
そんな中、すでに決勝トーナメント進出が決まった状況で迎えた25日のイラク戦は、これまで出場機会の少なかったメンバーが数多く先発起用された。GK大迫敬介、DF小林友希、DF荻原拓也、MF山田康太、MF滝裕太、FW原大智の6人が今大会初先発で勝利に貢献している。
彼らのプレーには影山監督も「いろいろな複雑な胸中があったと思うんですよ。チーム全体としてはいい雰囲気で勝ちながら進んでいくと言いながら、やっぱりそれ(悔しい思い)を個人個人で押し殺しながら『いつか見てろ』と、そういう『この野郎』的なそういう気持ちがなかったら嘘ですよね。それを殺しながら、この時のために堪えて、チームのために献身的にやってくれているのは素晴らしいことだと思います」と目を細めていた。