日本代表の長友佑都【写真:Getty Images】
12日にキリンチャレンジカップ2018のパナマ戦を戦った翌日、日本代表は16日に予定されるウルグアイ戦に向けて練習を行った。DF長友佑都は前日の試合を振り返りつつ、自身の経験を活かして若い選手たちに伝えたいことについて語った。
今回のメンバーには長友も含め、9月の新体制初戦には招集されなかったワールドカップメンバー数人が復帰。32歳の長友はチーム最年長選手の一人であり、代表キャップ数などを考えれば今回のメンバーの中で最も経験豊富な選手だと言える。
キャプテンを務めてきた長谷部誠と、チームの中心選手の一人だった本田圭佑はワールドカップを最後に代表を引退した。2人が抜けたことで「僕の立ち位置は別に変わらない」と話す長友だが、「長谷部さんの良い部分、圭佑の良い部分を吸収して、パーソナリティーをね、そういうものを出していければいいとは思います」と“重鎮”としての自覚を口にした。
「刺激を与えるという部分では、そういうパフォーマンスも必要なんじゃないかと時には思うので。僕は本当に自分でもコミュニケーションの鬼だと思ってますし。コミュニケーションで世界大会があったら本当に優勝できるんじゃないかと思うくらい自信を持っていますので(笑) まあその実力を活かしたいなと思います」
具体的に若手選手に伝えたい部分として、危険な場面で不要なファウルを犯さないことと、逆にあえて激しいプレーを仕掛けて精神的に優位に立つことを長友は強調。相反する2つを適切に使い分けることの重要性について語った。
「高いレベルの相手になるとセットプレーからやられる、それはもったいないことなので。気持ちを前面に出してプレーするのは大事なんですけど、ピッチに立ったら冷静になる部分は持っていないとね。もう1月にはアジアカップがありますし、そこで危険なところでファウルを与えるというのは致命的になるので」
時間帯や場所を選んだ上で「ガツンと行く」ことも元チームメートたちから学んできたと長友は語る。「こいつ来るな、と相手に思わせるというか。(ハビエル・)サネッティとか、(ワルテル・)サムエルとか、(エステバン・)カンビアッソとかは『まず最初に行け』と。(イバン・)コルドバもよく言っていましたね。そういうずる賢さっていうのも世界と戦う上では必要になってきますよね」
「日本人はフィジカルが弱いだとか、小さいだとかで正直最初は舐められてるところはある。そこでファーストプレーで精神的ダメージを与えると駆け引きや勝負は変わってくるので。僕もイタリアや代表でプレーしたりはしてきたので、若手に伝えて行きたい部分かなとは思います」と長友。世界で戦ってきた経験を次世代の選手たちに伝授することに意欲を見せている。
(取材:元川悦子、文・構成:編集部)
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