C・ロナウドの存在がチーム力の差に
当然の話だが、ユベントスにとってナポリ戦は決して簡単な試合ではなかった。
最終ラインを高く上げたハイプレスで、パスコースを分断される。カルロ・アンチェロッティ監督のもとで4-4-2システムに修正されたナポリの守備組織に、サイドも中央のスペースも埋められる。深い位置からパスを繋げようとしても中盤で奪われ、すぐさま速攻を食らう。6分にはピオトル・ジエリンスキにゴールポスト直撃のミドルシュートを打たれると、10分にはレオナルド・ボヌッチの無理矢理なパスをカットされた挙句、カウンターで先制点を奪われた。
ボールは奪えず、パスは回される。アリアンツ・スタジアムのスタンドには微妙な沈黙が立ち込めていた。昨季、ナポリにホームで0-1と破れた時、ユベンティーノの間からは「結果以上にオレたちのチームが支配されたことがショックだった」という声もあった。その時のイメージが頭をよぎった者も少なからずいたことだろう。
だが、終わってみれば3-1。そしてユーベの全得点には、昨季にはいなかったクリスティアーノ・ロナウドが関与していた。技術とフィジカルを利し、勝負どころを見極めてチャンスを創出する彼の決断力が、そのままナポリに対する差となった。
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