ついに生まれたロナウドのセリエA初ゴール
「多少は、宿命のようなものの存在を信じる必要がある。みんながロナウドのゴールを期待して、彼もたくさんシュートを放った。でもゴールを決めたのはマンジュキッチだった。妙だろうが、サッカーとはそういうものさ」
サッスオーロ戦の前日記者会見で、ユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督はそんなことを語っていた。注目のクリスティアーノ・ロナウドは、開幕3試合でノーゴール。決定機に焦りともコンディション不良とも、イタリアの守備が厳しいからゴールは無理とも、さまざまな見解がメディアを通してなされていた。それについて指揮官は、ゴールが決まらない時は何やっても決まらないという時があるだけだと反論したのである。
そして運命論に基づき、一つの予告をした。「私は確信している。明日(16日)は必ず、彼はゴールを決めるよ」。その通りになった。CKのこぼれ球を押し込んだ50分の先制点に、カウンターから左足で狙いすまして奪った追加点。ロナウドは2ゴールを叩き出し、チームの4連勝に貢献した。
試合を振り返ると、そこには宿命というか必然性があった。サッスオーロが非常に質の高いサッカーを展開し接戦となる中、結果を左右するのは小さなエピソード。そこに着実に付け入り、違いを持たすことのできたタレントが、CR7だったということなのだ。
この日のサッスオーロは、ユーベによって予想以上の難敵になっていた。ロベルト・デ・ゼルビ新監督のもと、イタリアクラブらしからぬ攻撃的な組織サッカーを展開し、五分以上に渡り合ってきたのである。