国際サッカー連盟【写真:Getty Images】
国際サッカー連盟(FIFA)は、欧州を中心に高騰する一方の移籍金を抑制・適正化するため、一定のアルゴリズムに基づいた移籍金算出法を導入することを提言している。『ロイター通信』が伝えた。
あるクラブとの契約下にある選手を他クラブが獲得する際には移籍金が支払われる。昨年夏にパリ・サンジェルマンが2億2200万ユーロ(約289億円)を支払ってバルセロナからFWネイマールを獲得したのを筆頭に、その金額は上昇の一途をたどっている。
FIFAでは現在の移籍市場が様々な問題を抱えているとして、その対応策を議論。「移籍システムは投機市場と化してしまったようだ。プロスポーツの基礎であるクラブや草の根活動に対してフェアではない」と報告書には述べられている。
対策のひとつとして、一定の基準に基づいて移籍金を算出するシステムの導入も提案されている。また、高額の移籍金に対して「税金」を課し、集めた資金を用いて基金を創設することもひとつの案だという。
FIFA傘下の国際スポーツ研究センター(CIES)では、すでに独自のアルゴリズムに基づいた適正移籍金の試算を行っている。同機関によれば、たとえばチェルシーがこの夏にアスレティック・ビルバオから獲得したGKケパ・アリサバラガの適正な評価額は3530万ユーロ(約46億円)であり、実際に支払われた移籍金8000万ユーロ(約104億円)の半分以下だとされている。
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