一大勢力となったリオ五輪世代
6日に発生した北海道大地震の影響で森保一監督体制の初陣になるはずだった7日のチリ戦が中止となり、待望の一戦は今日11日のコスタリカ戦へとズレ込んだ。テストの場は1試合のみとなったが、指揮官は「個」と「組織力」の両立を強調。それができるメンバーを送り出すつもりだ。
キャプテンに任命されたボランチ・青山敏弘はもちろんのこと、GK東口順昭、DF槙野智章、FW小林悠といった計算できる30代の選手を軸に、20歳の堂安律や2年10ヶ月ぶりのA代表となる南野拓実らフレッシュな面々を組み合わせるであろう新生ジャパン。
2ヶ月前のロシアワールドカップ後の監督交代で4バックへシフトしたコスタリカ相手に、同じ4バックを採用すると見られるが、中南米の強豪相手に新たな布石を打つことができるのか。興味深い一戦になるのは間違いなさそうだ。
森保監督が就任時に掲げた「世代交代」を果たすうえで重要なのが、ロシアで出番を得られなかったリオデジャネイロ五輪世代の台頭だろう。今回招集された23人のうち、2年前のリオ五輪に参戦したのは遠藤航、植田直通、室屋成、中島翔哉、南野、浅野拓磨の6人。
今回の招集を負傷で辞退した大島僚太や、五輪代表候補入りした三浦弦太や三竿健斗を含めると、チーム全体の4割近い一大勢力だ。22歳から25歳というサッカー選手として最もいい年齢になっている世代だけに、彼らがどこまでやれるのかというのは、森保ジャパンの成否を大きく左右する重要テーマに違いない。
特にロシアワールドカップに参戦しながら、長谷部誠や本田圭佑ら先輩たちのタフな戦いを見るだけに終わった遠藤と植田、直前合宿まで帯同しながら落選した浅野には期するものがあるはずだ。
「僕はワールドカップ(の試合)に出られなかった悔しさ、ああいう負け方をした悔しさを常に持ち続けないといけないと思っている」と遠藤が言えば、浅野も「生き残るためには単純に結果が全て」と屈辱を糧にすべく前を向いている。