日本企業がカンボジアでクラブ経営をする背景
本田圭佑の代表監督兼GM就任で注目が集まるカンボジア。昨シーズン、Jリーグ初のカンボジア出身選手としてチャン・ワタナカが藤枝MYFCに期限付き加入するトピックスはあったものの、日本のサッカーファンにとってカンボジアサッカーはまだ未知数な部分が大きい。
そんな同国サッカーリーグのトップディビジョンである「Cリーグ」には日系企業が母体となり運営されているクラブが2つ存在することをご存じだろうか。1つは本田圭佑が実質的なオーナーを務める「ソルティーロ・アンコールFC」。そして、もう1つは「アンコールタイガーFC」。
ブランドコンサルティング事業を行う株式会社フォワードが2015年3月に同クラブの経営権を継承後、2018年シーズンよりアンコールワットなど観光地として有名なシェムリアップに本拠地を移転。現在、リーグ戦の順位は中位だが、新興クラブにも関わらず平均観客数はリーグNo.1にまで成長。地道な地域貢献活動や地元出身選手の獲得などで着実にファンを増やしている。
日本の企業がカンボジアでサッカークラブを経営する背景には何があるのか。また、どのような未来を描いているのか。アンコールタイガーFCでクラブオーナーを務める加藤明拓氏に聞いた。
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