新生日本代表が北の大地で始動
ロシアワールドカップ決勝トーナメント1回戦・ベルギー戦の死闘から約2ヶ月。U-21日本代表の指揮官としてアジア競技大会を戦い終えたばかりの森保一監督が3日、札幌の地で新生日本代表のチーム作りをついにスタートさせた。
7日のチリ戦、11日のコスタリカ戦の2連戦に向けて、新指揮官が招集したのはロシアワールドカップの主力を除く国内組と海外組の23人。初日は植田直通、中島翔哉、南野拓実、堂安律を除く19人が集まり、45分程度の軽い調整を行った。
ランニングでは「森保チルドレン」と位置づけられるチーム最年長の青山敏弘や指揮官との付き合いの長い槙野智章らが先頭に立ってチームをけん引しており、並々ならぬ意気込みを感じさせた。
森保監督は「今回は仲間のために走ってくれる選手が集まってくれた。そして組織的に日本人の良さを出して戦いつつも、それぞれ個々の特徴、スペシャルな部分を存分に発揮してほしい」と2つのことを冒頭ミーティングで選手たちに伝えたという。その言葉を誰よりも深く理解しているのが、広島時代に3度のJ1優勝をともに達成している青山だ。
「森保さんはそこに最低限こだわる監督。もちろん戦術やサッカーの質は高いものを求めますけど、一番はどれだけ自分を犠牲にして走れるか。チームとして戦えるかってところは強く求めている」と32歳のボランチは強調する。
確かに森保監督が築き上げた強い広島には、青山や浅野拓磨はもちろんのこと、佐藤寿人森崎和幸・浩司兄弟など献身性に溢れる面々がいた。全員が身を粉にして働き、助け合うようなチームが森保監督の理想像なのだろう。それはアジア大会準優勝のU-21代表にも共通する部分。新生日本代表で生き残ろうと思うなら、チームのために戦う意思と自覚を前面に押し出すことが絶対条件だ。