中国戦でハットトリック。謎多き9番に要注意
インドネシアで開催されているアジア競技大会も、クライマックスに向けて加速しようとしている。27日には準々決勝が行われ、ここからは29日の準決勝、そして来月1日の決勝と残された試合も少なくなってきた。
森保一監督率いるU-21日本代表は、27日の準々決勝でU-21サウジアラビア代表と対戦する。決勝トーナメント1回戦で中国に4-3で勝利したサウジアラビアは、日本と同じくU-21代表を送り込んできたが、おそらく今大会出場チームの中でも最強クラスの戦力を揃えているとみて間違いない。
森保監督も、26日の前日練習を終えて「(サウジアラビアは)手強いと思います。攻撃のタレントが豊富だなと。2年前のAFC U-19選手権で戦った相手ということで、『サウジアラビアは非常に強い』という印象を持ってる選手が多い。そこは相手が強いということをリスペクトしつつも、私たちは彼らの強さを上回っていけるように、勝つという気持ちと内容の部分にこだわってやっていきたい」と、これまでにない警戒心を口にした。
中国戦でのサウジアラビアは、75分まで4-0と相手を圧倒。終盤に追い上げられたが、それでも破壊力抜群の攻撃は強烈なインパクトを残した。中でもハットトリックを達成した9番のFWハールーン・カマラはスピード、アジリティ、パワー、テクニックと全てがハイレベルで、同世代のアジアトップクラスのタレントだ。
もちろん日本の選手たちにも強い印象を残しており、DF板倉滉は「映像を見ていても一番目立ってたと感じますし、あれだけうまくて、デカくて、足もともあって、最後は自分でゴールしてくるところまで持っていける。映像でしかまだ見ていないですけど、まずはそういう相手を止めていかないとこの先にはつながっていかないかなと自分でも思っていますし、今はすごく楽しみです」と、強敵の出現に士気を高めていた。
ただ、カマラは謎な部分も多い。今年1月にサウジアラビア1部のアル・カーディシーヤFCに入団したことになっているが、それ以前の経歴は全くの不明。どこのクラブから加入したかすらわからない。あれだけのポテンシャルの高い選手であれば常に世代別代表に入っていてもおかしくないにもかかわらず、2年前のAFCU-19選手権決勝で日本と対戦した際のU-19サウジアラビア代表にはいなかった。